全64チームが参加し、第1ステージ→第2ステージ→決勝トーナメントと続く第7回(平成27年度)友杯が開幕しました。
まず第1ステージは4チームずつ16グループに分かれて行うリーグ戦。
わが元加賀は
と一緒のBグループです。
第1ステージの初戦は、船堀ダックスクラブさん。
夢の島東球場で14:00~試合開始予定のはずが、諸事情により急遽ダックスクラブさんの本拠地・船堀グラウンドでの試合に変更に…。
試合開始前から波瀾万丈の予感がしていましたが、いやまさに試合も波瀾万丈、予測不能のジェットコースタームービーのような戦いとなりました。
元加賀後攻で始まった1回表。先頭バッターをフルカウントからの粘りのピッチングで空振り三振にとると、続く2番3番をゴロに打ちとり三者凡退。幸先のよいスタートです。
1回裏、元加賀の攻撃。相手チームのエースは女子ながら、高身長と手足の長さを活かした速球で元加賀の上位打線を翻弄します。
1番ユウキがライト前で出塁したものの、2番キョウが送りバントで1アウトとなると、3番4番も打ち上げてしまい、2塁からユウキを動かすことができませんでした。
2回表、試合は動きます。ダックスクラブの4番が内野安打で出塁すると、5番がフォアボール。いきなりノーアウトランナー1、2塁のピンチに。6番を三振にとり、ホッとしたのもつかの間、ダブルスチールを決められ、1アウト2、3塁に。7番打者が1塁ゴロでアウトになっている間にサードランナーがホームイン。8番はピッチャーゴロにしとめチェンジとなりましたが、この試合先制点を奪ったのはダックスクラブさんでした。
1点を追う2回裏、7番のリクがレフト前へヒットを飛ばした以外は1塁ゴロ、1塁ライナー、ライトフライにとられ、得点を得られずチェンジ。相手投手の速球に振り遅れているような印象を受けました。
先制点を挙げ、チームの雰囲気も明るいダックスクラブの攻撃3回表。9番打者が左中間にうまく落として出塁。打順が1番に戻り犠打でランナーを進め、1アウトランナー2塁で迎えた2番打者。甘く入った初球をスコーンとライト方向へ打ち抜かれスリーベースヒット!3番はセカンドゴロでアウトにしましたが、その間に3塁ランナーに走られこの回2点目を献上。
チェンジとなり、なんとか差を縮めたい3回裏も相手の攻守備に阻まれ三者凡退。3回を終えて3-0という苦しい展開です。
4回表、サードのコウシロウとセカンドのタイヨウが好守備で、ピッチャーのリュウを助け、ダックスクラブは三者凡退。
そろそろ反撃したい4回裏のことです。3番カツキが打った球はサードの前へ…。これは1塁でアウトか…と思われたその時です。ファーストのファンブルでカツキはセーフ!
そして第1打席をファールフライにとられ、消化不良気味の4番リュウのバットがこのあと火を噴きます。1球見送り、グッとグリップを握りなおした2球目。芯で捉えた打球はセンターオーバー。先に出塁していたカツキをホームに返し、自身も3塁へ。渾身のスリーベースです。エースで4番でキャプテンで…。重責を担ってのこのアタリ。さすがの一言です。
ここから怒涛の追撃が始まり、5番キヨ、6番コウシロウ、7番リク、8番タイヨウが全員内野安打で出塁。キヨのヒットでリュウが、タイヨウのヒットでキヨが返り同点に追いつきます。
「打ち上げるな!転がせばなんとかなる!」と須藤監督が仰っていた通りです。
9番を三振にとられ1アウトとなりましたが、なおも満塁のチャンス。ここでバッターはユウキ。こういうチャンスの場面に強い男は、やっぱりここも仕事をきっちり果たします。ライト前へうまく転がし、自らはアウトになったものの、サードランナーをホームへ!残念ながらこの回の攻撃は2番までで終わってしまいましたが、ついに逆転3-4です。
5回表、4裏の逆転劇に浮き足立ったか、この回先頭の8番をフォアボールで出塁させてしまうと、続く9番にサード前へと転がされます。ここはきっちり1塁アウトにとりたいところだったのですが、サードがエラー。モタモタしている隙に、ノーアウトランナー2、3塁のピンチです。そこから1番の犠牲フライで1点を返されますが、2番のピッチャーゴロを落ち着いて捌き、ファーストで2アウト目をとると、すぐさまファーストがホームへ送球。主審の判定は…アウト!土俵際での踏ん張りを見せました。4-4、試合は振り出しです。
5回裏、3番カツキがいきなり3塁線を破るツーベースでチャンスを作ります。続くリュウはサードゴロに倒れるも、カツキは進塁。5番キヨのスクイズ成功で元加賀5点目となり再びダックスクラブを突き放します。
6回は両者ともに得点できず、1点差のまま最終回へもつれ込みます。
7回表、この回の先頭バッターを三振とし、このままピシャっと試合を締めるかと思われましたが、やはり野球は最後まで何が起こるかわかりません。続く8番がエラーで出塁、9番がフォアボールで出塁と自分たちのミスでランナーをためてしまいます。空は青々としているのに、元加賀の上には暗雲がたれこめます……。
ゴロゴロと雷鳴が轟き、最初のポツンがきたら一気に大粒の雨が降るように、キャッチャーからサードランナーへの牽制が逸れ1点を許すと、1番にライトの横を抜くツーベースで2点目、2番3番4番に連続で外野へ運ばれ、ダメ押しのスクイズでこの回一挙5得点を奪われました。
7回裏、最終回を迎えての4点差。決して低いとは言えない壁です。けれども乗り越えなければいけない壁。円陣を組み逆転を誓います。打順は3番からスタート。なんとかこの回の先頭から出塁してほしいところですが、1ボール2ストライクからの5球目をピッチャーゴロに打ち取られ、1アウトとなってしまいました。
前日の金曜日、放課後に公園へ集まり自主練をしていた彼ら。この試合に賭ける並々ならぬ思いを知っているだけに、なんとか奇跡を起こしてほしいところ。
この最大のピンチを打開してくれたのは……そう、我らがキャプテン、リュウ!ボールカウント1ボールからの2球目、打った瞬間「大きい!」とわかるアタリ。センターオーバーのツーベースです。これに動揺したか相手投手の制球が乱れます。続くキヨがフォアボールで出塁すると、6番コウシロウが左中間へ運びついに満塁!
7番、リクがバッターボックスに立ちます。
リクは本来3番を任されている強打者ですが、最近の試合で結果を出せず、今日の試合でこの位置に下げられてしまいました。試合が始まる前にコーチに「どうして下げられたかわかってるな?」と尋ねられ、「はい」と静かに答えていたリク。見た目は穏やかではありましたが、きっと心の中に燃えるような決意があったのでしょう。この試合3打数2安打、打撃好調で迎えた4打席目。ファールで1ストライクしたあとの2球目がセンター横を破るヒットとなり、リュウとキヨをホームへ返して2打点を挙げます!
1アウトランナー1・2塁。3点リードをしていても、やはり最終回でランナーを背負うとプレッシャーがかかるものです。8番、9番にフォアボールを許し、押し出しでこの回3点目。そして続く1番にもこの回4つ目、痛恨のフォアボール!元加賀とうとう同点に追いつきます。
1アウト満塁サヨナラのチャンス。バッターは6年キョウ。選手もベンチも祈るような思いでキョウを見つめます。ボ-ルカウント、2ボール2ストライクで迎えた5球目――
ぐんぐんと伸びるボールは青空に溶け、センター方向へ!一瞬の静寂の後、元加賀ベンチからワッと歓声があがります。サードランナー、タイヨウがホームイン。9-10×でサヨナラ勝ちです!!
こんな漫画のような展開をいったい誰が予想したでしょうか……。
最近のAチームの試合を見ていて思うのは、粘り強さ、諦めない心、そして全員で勝ちにいく姿勢が育っていること。
代替わりした当初はポジションすら安定せず、苦しい思いをしてきたAチームですが、練習と試合を重ねるごとにチーム力がついてきたことを実感します。
友杯も5月6日に2試合目が控えていますし、10日からジャビットカップも始まります。そして24日から深川大会と、Aチームは公式戦が目白押しです。
暦の上では立夏を迎え、肉体的にも疲労度が増す季節。そんなときに最後、結果を左右するのは「気持ちの強さ」、コレに他なりません。
あとに続く後輩たちにも、「気持ちの強さ」とは何ぞやというところを見せてあげてください。今のあなたたちなら、きっとそれができるはずですよ!